熱絶縁工事が行われるのはどんな場所?
熱絶縁工事は、私たちの身近な場所で多く行われています。例えば、マンションやビル、病院などです。
これらの施設の冷暖房設備や冷凍冷蔵設備、動力設備などの機械や配管に対して行われます。また、熱絶縁工事は、工場でも多く行われる工事です。工事には、ガスや液体を運ぶ配管が多く設置されています。
これらに保温工事や保冷工事などを行うことで、エネルギー効率を上げるという重要な役割を果たしています。省エネルギーにも貢献しており、まさに私たちの暮らしやインフラに欠かせない工事です。
保温工事
保温工事は読んで字の如く「温かさを保つための工事」です。建物の内部に張り巡らされている空調用ダクトや水道管のなかを通る気体・液体を低温から守り、目的とする場所まで送り届けます。ほかにも水道管の凍結防止や利用者のやけど防止、建物全体の省エネ化など、たくさんのメリットがあります。
施工には保温材(断熱材)を使用します。保温材はケイ酸カルシウムやロックウールなどの材質によって形成され、外気の冷たさが内部に影響することを防ぎます。断熱を施す配管のサイズや箇所により最適な厚みが変わりますので、技術者は正確に判断しなければなりません。
保冷工事
保温工事が温かく保つための工事であるのに対し、保冷工事は冷たく保つことを目的としています。冷房や冷水配管などを保温材でコーティングし、外気熱の侵入を防いで目的地まで低温を保ちます。
冷えた液体や気体をただ通しているだけの配管は、外気に触れることで表面が結露したり、熱吸収を発生させたりします。そうした外気に触れていると表面の結露や熱吸収といった不具合が生じます。そうしたトラブルを防ぎ、防湿効果を備えさせるためにも、保冷工事は重要です。
板金工事
保温工事や保冷工事で使用する断熱材には、ある弱点が存在します。それは「水や湿気に弱い」ということです。特に、野外の配管や設備を断熱する際、雨水は最大の障壁です。そのまま放置すれば、水分を吸収して劣化を進めてしまいます。
そのような事態を防ぐ手段として、金属によってコーティングする処置が有効です。メッキ鋼板やアルミニウム、ステンレスなどの鉄板材を切断し、自在に折り曲げ、保温工事・保冷工事によって取り付けた断熱材を水気から守ります。このような技術は「板金」と呼ばれ、現場で活きる職人技として重宝されております。